魔法少女ブルーミングリリィ
第一章
番外編 トリックオアトリート
あるかも知れない未来 「努先輩!」 「「トリックオアトリート~!」」 「と、トリックオアトリート……」 「……なにやってんだ?」 「やだなー、ハロウィンですよ! ハロウィン!!」 「いやそれは分かるんだけど……つ、未咲まで……」 「茜ちゃんがどうしてもって」 「そうか……」 「それで努先輩! お菓子ください!!」 「んー……確かかばんの中に……あったあった」 「チルノチョコじゃないですか! さーっすが!!」 「ほら、蒼衣ちゃんも」 「ありがとうございます」 「……あ」 「どうしたの努?」 「悪い未咲、……2個しかない」 「いや、ないならないでいいけど……」 「えー! ダメだよ!! お菓子もらえなかったらイタズラしなきゃ!!」 「え、義務なの? 権利じゃないの?」 「ギムギム!!」 「ちょっと茜……でも、未咲が努先輩にどんなイタズラするのか、ちょっと興味ある……」 「蒼衣ちゃんまで!?」 「えーと、えーと、じゃ、じゃあ努、目……つぶって?」 「お、おう……ほんとにやるのか」 「……ていっ!」 「痛っ……イタズラってデコピンか」 「まあ、うん……大丈夫?」 「流石にこのくらいじゃなぁ」 「未咲ったらつまんないのー。もっとこう、チューするとかあるだろうに」 「えええええぇぇぇ!?」 「そうよ。正直目をつぶらせたとき期待したのに……」 「蒼衣ちゃん!? なんか今日テンションおかしいよ!?」 「まあ未咲に求めるのが間違えてたよ」 「ひどいよ……」 「はぁ……今日の二人、妙なテンションだったなぁ……」 「そうだなぁ……」 「……つとむ」 「ん?」 「ちょっとおでこ見せて。赤くなってるっぽい」 「あー気にすんな」 「いいから……ちょっと目つぶって」 「なんだなんだ、強引だな……」 「いいって言うまで開けないでね……」 「はいはい」 「………………んっ」 「お?」 「もっ、もういいよ!」 「何したんだ? 今」 「ちょっとおまじないをね!」 「おまじないって……お前変身したら回復魔法使えるだろう」 「いいから! もうわたし帰るね! また明日!!」 「お、おう。また明日……なんだ、蕾も変なテンションだな」